Jun Sakuma
UX Research UX Design HCD

UXリサーチ & デザイン Fase 1

人間中心設計の手法に基づいた建設機械オペレータ向け定性調査手法の確立をし次世代コンパクト油圧ショベル開発を目的としたデザイン活動

Role

UX Researcher, UI Designer

Time

4ヵ月

Method

ISO9241-210 人間中心設計

Tools

Figma, Illustrator

建設機械HMIデザインのワークショップ風景

Overview

油圧ショベルはコンパクト・中型・大型と大きく3種類あり、中でも重量2~7トン級をコンパクト油圧ショベルと呼び、街中や狭小地で活躍する建設機械である。

同じ油圧ショベルであってもユーザ属性や利用文脈は異なるためコンパクトショベル特有の調査が必要であると判断し本調査を実施することとした。

The Goal

コンパクト油圧ショベルの現場を知り、HMIのシームレスな操作性を実現させる。

The Challenge

次世代機開発にあたり、従来機から大幅にデザインを刷新したいと依頼主からの要求に対し、コンパクトショベルの使われ方を調査し、コンパクトショベルユーザにとっての課題や要求事項を明確にすることとした。

The Solution

コンパクトショベルユーザの多くは熟練オペレータであるという背景から、対象ユーザを絞りそのユーザにとってシームレスな操作性を追求することで、運転席の居住空間の快適性を上げ、コンパクトショベルのUXを向上させる。

Design Process

人間中心設計の手法に基づき、調査・分析・デザイン・評価のプロセスを繰り返し実施。調査では建設機械オペレータに特化した調査手法の検討と確立を目指した。分析では利用状況の把握とインサイトの導出、オペレータの課題を見つけることを目的とした。また、分析結果から得られた情報を基にコンセプトデザインを行い、エクステリア・インテリア・HMIデザインの要件定義を行った。中でもコンセプトに直結するインテリア・HMIデザインについてデザイン精度の確認や改良のために実寸大モックアップを作製し対象ユーザを被験者とし評価を行った。

デザインプロセス図

01 / 調査 (Research)

コンパクト油圧ショベルにおける基本的な作業である掘削および積み込み作業を対象ユーザに実施させ、その様子を複数のカメラで撮影・記録した。記録映像は一人称視点映像として編集し、被験者本人が自身の作業映像を確認しながら、疑似的にコンテクスチュアル・インクワイアリーを実施した。その結果、本手法が建設機械オペレータを対象とした調査手法として有効であることを確認した。 調査シートのサンプル

02 / 分析 (Analysis)

一人称視点映像から得られた被験者の行動を抽出し、作業の各フェーズにおいて観察された特徴的な行動に対して、KA法を用いた価値の導出を行った。その結果、熟練者と非熟練者では、同一の作業であっても行動に差異が見られることが明らかとなった。さらに、コンテクスチュアル・インクワイアリーに基づくインタビューを実施し、掘削および積み込み作業における被験者の本質的欲求を上位下位分析によって推察した。これらの分析結果を踏まえ、ペルソナを作成し、本プロジェクトの指針として活用することとした。

分析マップ 分析マップ

03 / デザイン (Design)

調査分析により得られた知見を基に、コンパクト油圧ショベルに関するコンセプトデザインを実施した。各領域(エクステリア、インテリア、HMI)におけるコンセプトの方向性を視覚的に表現し、ステークホルダーに提示した。特にインテリアおよびHMIについては、分析結果から抽出されたユーザーの本質的な欲求や行為目標を積極的にデザインへ反映させており、次工程における評価フェーズにおいて、その受容性を検証する計画である。また、評価に向けインテリア及びHMIの実寸大モックアップを作製し、より確度の高い評価を実施することとした。

HMIデザインのアップデート

コンセプトデザイン
※社外秘情報のためぼかしあり

デザインコンセプトを視覚的に表現した仮想カタログを作成し、ステークホルダーに価値を伝えた。仮想カタログにはペルソナとペルソナにとっての価値を視覚的に表現した。

インテリアモックアップのアップデート

インテリアモックアップ(イメージ)

インテリア・HMIについては次工程の評価に備えて実寸大のモックアップを作製した。対象ユーザに仮想カタログのような視覚的だけでなく、実際に体感しより確度の高い評価結果を得ることを狙った。

04 / 評価 (Evaluation)

作製したモックアップを使用し、依頼主側の設計者から提供された機器や要件に対し、デザイナーが作製したインテリア・HMIデザインがコンセプトに合っているか、また改善点を見つけることを目的のレビューとした。この段階でのモックアップは大まかな機能の配置や形状確認を目的としていたため、改善点の発見やレイアウトの枠組みを決めることを主の作業とした。レビュー方法は、乗車~作業~降車を想定した認知的ウォークスルー法やデザイナーによるインタビューによりレビューを実施した。

評価結果を反映したカスタマージャーニーマップ 評価結果を反映したカスタマージャーニーマップ